由 緒

文明10年(1478年)、ご開山 以船文済和尚(いせんもんさいおしょう)がこの塩澤の地に来て、天台宗の寺院であった菩提院を改宗し、曹洞宗の寺院として寳光寺を建立しました。
ここから寳光寺の歴史が始まりました。

ご開山様は諸堂を再建しただけではなく、当山には「鹿の湯」と呼ばれる鉱泉の跡が残っていますが、これは500年前、ご開山様が見つけたものです。

殿 西 鹿 鹿
※ 建物の名称をクリックするとご説明に移動します。

総 門

建立の
歴史を語る

当山の諸堂は、江戸時代から明治にかけて度重なる火災に見舞われましたが、総門だけは焼け残りました。
総門をくぐり参道を進むと左右に十六羅漢像(お釈迦さまの教えを後世に伝えられた尊者)が祀られ、参道中腹には、大きく横たわったカヤの木が参拝者を迎えています。

山 門

参道の階段を
一段一段上り
見上げる

平成13年(2001年)10月完成

山門には仁王様と四天王が、山門上殿には百観音が祀られております。33の観音様が3体ずつで合計99体、そして正面には本堂再建以前のご本尊が安置されています。
また山門完成と同時に「七堂伽藍の復興」が成し遂げられました。

本 堂

寳光寺の
歴史を
感じる

昭和49年(1974年)~昭和51年(1976年)にかけて再建

内陣には、本尊 聖観世音菩薩が安置され、右に道元禅師(高祖承陽大師永平開山希玄道元大和尚襌師:大本山永平寺を開山)、左に瑩山禅師(太祖常済大師總持開山瑩山紹瑾大和尚襌師:大本山總持寺を開山)、達磨大師(震旦初祖圓覚大師菩提達磨大和尚:禅宗を伝えた祖)、大権修利菩薩(招宝七郎大権修利菩薩:中国の神さま)です。

本堂内部に設けられた、開山堂には ご開山 以船文済和尚、歴代住職のお位牌が祀られています。

坐 禅 堂

智慧の仏様
文殊菩薩を
祀っています

平成5年(1993年)建立 総檜材使用

正面には達磨大師様、中央には僧の姿をした文殊菩薩様が坐禅を行う人々を檜の香りの中、静かに見つめています。

「坐禅」はお坊さんだけが行う難しい修行ではありません。
大切なことは、調身(姿勢を調える)調息(呼吸を調える)調心(すると自然に心も調う)です。

曹洞宗は壁に向かって坐禅する面壁坐禅を行います。

鐘 楼 堂

鐘の音が
響く

昭和56年(1981年)12月建立

山門をくぐると左手に重厚な梵鐘があり、その妙音は大佛の麓まで鳴り響きます。鐘楼堂建立後に、庭園と池が完成されました。

客 殿

鹿野苑
鹿の湯にちなんで
命名

昭和61年(1986年)10月建立  檜造り

鹿野苑(ろくやおん) 鹿の湯にちなんで命名されました。

書 院

芙蓉閣
書斎です

昭和61年(1986年)10月建立  秋田杉造り

芙蓉閣(芙蓉閣)と命名

庫 裏

庫裏(くり)
寺の台所です

昭和62年(1978年)6月建立 檜造り

寺の台所、庫裡とも書きます。

知 庫

知庫(ちこ)
蔵です

昭和61年(1986年)12月竣工  栗材造り

東 司

東司(とうす)
お手洗いです

本堂と同時に竣工

僧侶のお手洗いです。

寺院(曹洞宗)では、禅堂のすぐ横に置かれています。

達 磨 堂

震旦初祖
圓覚大師
菩提達磨大和尚

震旦初祖圓覚大師 菩提達磨大和尚

本堂と大佛の間にお堂があります。

大正11年(1922年)作 身丈 2.24米 陶器(唐津焼)では日本最大の達磨大師になります。足の爪は象牙です。

鹿 の 湯

傷ついた
一頭の鹿が泉へ
通い

ここにご開山様が鉱泉を発見した時のお話があります。

ある日、一頭の鹿がご開山様の草庵前を行き来していたそうです。その鹿をよく見ると、なんと足に怪我をしていました。鹿は次の日も、その次の日も同じように行き来を繰り返していたためご開山様は不思議に思って後をつけました。すると、鹿は草庵の北側の谷間に湧き出る泉で傷ついた足を癒していたというのです。暫くすると鹿は怪我も治り山へ消えていったそうです。
ご開山様はこの泉を「鹿の湯」と命名し、怪我で苦しんでいる人のために草庵を建て、浴室を作ったそうです。そして、この評判が人から人へ伝わり、多くの人が来るようになりました。

この「鹿の湯」は怪我や皮膚病によく効くとされ、明治のころまで大変繁盛し、多摩七湯の一つとしても有名だったそうです。

現在「鹿の湯」湯元跡には大きな樫の木が立ち、祠には「鹿之湯大権現」を祀っています。

鹿野大佛

当山の諸堂は、江戸時代から明治時代にかけての度重なる火災で総門以外すべて焼失しました。32世住職の禅岳昭道和尚が、江戸時代の図面を基に七堂伽藍の復興を成し遂げ、人々の安寧を願い、西多摩に仏教の教えを広めようとうと考え、釈迦如来の大佛建立を誓願しました。

その遺志は33世住職に引き継がれ、平成25年(2013年)大佛建立事業の建設委員会を発足し、ご開山様がみつけた湯元の山の頂きに佛様をお迎えすること、湯元の山を「鹿野山」、佛様を諸々のご縁から「鹿野大佛」と称名し奉ることとなりました。
大佛は青銅製で山形鋳物で有名な山形市内の鋳造業者が1000年前の技術を用い、数多くの匠たちの手により平成30年(2018年)完成いたしました。
特別事前公開は同年4月11日より、全貌公開は平成31年(2019年)4月8日。

四季折々 変わりゆく景色とともに大佛さまは皆さまの心に寄り添い、そして凛々しく「禅の里」を見守っています。

総 高(台座含)18m仏身高12m
蓮華座 3m目 長0.8m
口 長 0.8m耳 長2m
膝幅長10m重 量60 t

ほんどう、ざぜんどう、しょうろうどう、きゃくでん、だるまどう、ろくやだいぶつ